ドクターのご紹介  

         
   松田 邦夫

   Matsuda Kunio
   専門科目:呼吸器科  
     
 私は小さいとき、父の知り合いの或る名漢方医の影響で、漢方医にあこがれました。13年間大学で内科医をした後、大学を辞めて漢方の勉強を始めました。初めの一年間は或る有名な薬学の先生から教わりましたが、その先生の紹介で1969年から4年間大塚敬節先生のご自宅に通い漢方を教えていただきました。晩年の先生の診察を見学出来たことは幸せでした。
 漢方は人に優しい治療であることを痛感しました。云うまでもなく漢方は、専門家の正しい治療を受けて服用すれば、副作用の心配はありません。たとえ治療の効果がすぐに現れなくても、少し気長に飲んでいれば徐々に体の免疫力が高まり、病気も良くなってきます。
 先生はとくに漢方の講義をするわけではありませんでしたが、勉強の仕方、漢方医としての心構えのようなものを教えて下さったと思います。そして、先生の教えを受ける日の終わりに、私は先生に「漢方の秘訣」について教えて下さるように懇願しました。これに答えて先生は、「古典を読め、後は患者さんが教えてくれる。」とだけ云われました。
 その後、今日まで先生の教えに従って、優れた先人の教え、書物などを読み、また自分の治療経験を積むことにより、腕を磨いてきました。
 いつまで経っても名医のレベルにはほど遠く、日が暮れて道遠しの感を深くしておりますが、これからもこの道一筋に、先人の遺した医書と、毎日の患者さんを手本として研鑽を積みたいと思います。

 
 
日本東洋医学会会長を務めた後、現在日本東洋医学会名誉会員
日本東洋医学会認定 漢方専門医
昭和29年東京大学医学部卒。大塚敬節先生に師事。

学問的にも臨床的にも、まさに日本漢方界のリーダー的存在。
診療に際しては、病気ではなく病人を診る、ということを心がけているそうです。

担当曜日
木曜(9:30〜11:30)