ドクターのご紹介  

         
   山田 博一

   Yamada Hirokazu
     
       私は漢方医(山田光胤)のもとに生まれ漢方薬の匂いをかいで育ってきました。物心ついたころから母の実家へ行けば父と祖父(大塚敬節)の漢方談義を聞いていました。大塚医院の薬局で調剤の手伝い(本人は手伝いのつもりたが、ただのおじゃま虫だったと思う)をしたのも懐かしい思い出です。
 父は私たち家族を実験台にして漢方の臨床を実践している最中であったので、著効したこともかえって具合が悪くなったこともあって、自分の身体を通して漢方薬の効き方を覚えてきました。門前の小僧で少年時代にある程度の総論的な知識や数種の処方の使い方は覚えていたように思います。
 大学の医学部に入り生理、病理、薬理、解剖、更に診断名をつけるための診断学、重箱の隅をつつくような検査所見の読みを講義されましたが、病気の治し方はいっこうに教えてくれません。父や祖父が話していたような患者さんを治す治療法の授業はありません。
 卒業後、基礎医学、内科学と学び、漢方に更に深く入った今になって思えばよくわかることですが、今でも症状をおさえたり、データを改善したりする薬はありますが、病気を治す薬は西洋医学にはほとんどないのですから教えてくれるわけがなかったはずです。翻って漢方薬は病気を治すことができます。しかしそれを使う医者が正しい知識を持って、正しい診断を下してはじめて薬が力を発揮できます。
 この技は学ではなく術であると良く言われます。術を磨くために学も心も勘も気力も鍛えたいと思います。

 
 
昭和53年東京医科大学卒。
山田光胤先生に師事。
山田光胤先生の長男。

財団法人日本漢方医学研究所理事
日本東洋医学会認定 漢方専門医


担当曜日
第3土曜(9:30〜11:30/13:00〜15:00)