薬草のお話 10


第104回 平成18年1月   川骨(センコツ)

 川骨はスイレン科(Nymphaeaceae)のコウホネ Nuphar japonicum De Candolle の根茎を縦割りしたものです。川骨とは和名で、中国本草書に川骨での記載はありません。日本最古の本草書である本草和名には中国の植物『骨蓬』を加波保祢と和訓しています。従ってコウホネは『骨蓬』の音便と考えられています。そして、生薬名・川骨はカワホネを漢字に充てた日本名となります。 
 漢方としては川骨には利尿、利水、浄血、強壮、健胃の効果があるので、浮腫、打撲傷、月経不順、血の道症などに応用しています。
 川骨の薬理作用としては鎮静作用、プロスタグランジン生合成阻害作用、利尿作用などが報告されており、成分としてはアルカロイド、タンニン、ニコチン酸などが知られています。
川骨の含まれる漢方処方には治打撲一方(じだぼくいっぽう)、実母散(じつぼさん)などがあります。
 川骨は質は軽く折れやすく、わずかににおいがあり、味はやや苦いです。肥大し、充実したもので、折面が白く粉性のものを良品とします。
川骨の市場品は日本産(北海道)が主です。
(針ヶ谷哲也)