|
寒い冬に食べるカキ鍋はとてもおいしくて、体も温まりますね。カキはむき身をボウルに入れておくと、ミルクの様な乳白色の液がしみ出てくることから『海のミルク』と呼ばれています。カキ肉にはグリコーゲン、タウリン、鉄、亜鉛、アミノ酸類、ビタミン類などたくさんの栄養素が含まれていますが、薬としては貝殻を使用します。 |
茴香はセリ科(Umbelliferae)のウイキョウ Foeniculum vulgare Miller の果実です。ウイキョウは漢字で茴香となっているのを、中国読みにしたところから日本名が出たとされています。地中海沿岸地方の原産で、江戸時代の末期に薬用の目的で日本に入ってきましたが、現在ではスパイスとして大部分が使用されています。料理好きの人にはウイキョウと言うよりも、フェンネルと言った方がなじみが深いかもしれませんね。後に分かったことですが、ウイキョウには精油が豊富に含まれ、これに抗菌作用、消化機能亢進作用があることから料理に使われたのも分かる気がしますね。 |
黄柏はミカン科(Rutaceae)のキハダ Phellodendron amurense Ruprecht 又は P. chinense Schneider の周皮を除いた樹皮を乾燥したものです。 |
遠志はヒメハギ科(Polygalaceae)のイトヒメハギ Polygala tenuifolia Willdenow の根です。中国の東北部、華北、東部地帯、シベリア、朝鮮半島北部に自生する多年草で日本では生息していません。遠志という名称は中国の古い書物に『この草を服すれば、能く智を益し志を強くする。それで遠志という名称がついた』と記載されています。 |
厚朴はホウノキ科(Magnoliaceae)のホウノキ Magnolia obovata Thunberg, M. officinalis Rehder et Wilson 又は M. officinalis Rehder et Wilson var. biloba Rehder et Wilson の樹皮でする。厚朴は第12改正日本薬局方までは日本産の厚朴のみ規定していましたが、13改正から(現在は14改正)中国産の厚朴も基源植物に含められています。 |
生薬としての大棗はクロウメモドキ科(Rhamnaceae)のナツメ Zizyphus jujuba Miller var. inermis Rehder の果実です。ナツメの名前の由来は初夏に芽が出ることに因るとされています。 |
荊芥はシソ科(Labiatae)のケイガイ Schizonepeta tenuifolia Briquet の花穂です。中国の古い書物である『神農本草経』の中品に假蘇(カソ)の名で収載されています。古くから原植物に混乱がみられた生薬で、現在ではケイガイということになっています。 |
クスノキ科(Lauraceae)のテンダイウヤク Lindera strychnifolia F. VILLARSの根を乾燥したものです。その植物名からも分かるように、享保年間に薬草として中国から持ち込まれた植物です。中国では浙江省の天台山の烏薬を名産としていたことから、この名前が植物名になったとされたいます。 |
生薬 麻子仁はクワ科(Moraceae)のアサ Cannabis sativa Linne の果実を乾燥したものです。現在は薬としての用途よりも七味唐辛子の原料、小鳥の飼料、製油原料としての用途が多いです。形態的に酷似しているインドアサは麻薬として取り締まりの対象となっています。 |
ビワと言うと直ぐに思い浮かぶのはオレンジ色でジューシーな果物の方ですが、薬用には専ら葉を用います。漢方ではバラ科(Rosaceae)のビワ Eriobotrya japonica Lindley の葉を生薬 枇杷葉として用います。 |
生薬・延胡索はケシ科(Papaveraceae)の Corydalis turtschaninouii Besser forma yanhusuo Y. H. Chou et C. C. Hsu の塊茎です。 |
生薬・艾葉はキク科(Compositae)のヨモギ Artemisia princeps Pampanini またはヤマヨモギ A. montana Pampanini の葉及び枝先です。ヨモギは春先に若芽を摘んで草餅にするので、モチグサの名や、灸に使うためモグサやキュウグサの別名があります。また、ヨモギ名の由来はよく燃える草の善燃草(よもぎ)からという説があります。 |