生薬の撰品について                             

                       金匱会診療所薬局長 針ヶ谷哲也


次に生薬の撰品についてです。
 @生薬の品質
 これは鮮度・味・におい・大きさ・色・充実度・乾燥具合などです。生薬によってまちまちですが、一般的には新鮮で、香気が強く、大きくて充実しているものを良品とします。
 乾燥具合は適度が良く、余り乾燥しすぎても良くありません。しかし、湿気はかびの原因にもなります。

 A生薬の安全性(農薬・かび・虫など)
 以前、新聞各紙で農薬の問題が取り上げられましたが、この問題に関しては診療所ではかなり前から各メーカーと協力して、日々取り組んでおり、皆さんに安心していただける品質の生薬を扱っております。

 B有効成分の含量が一定量以上あること
 一年を通して有効成分に出来る限りバラツキがでないように、各メーカーと協力して取り組んでおります。

 C生薬の産地(日本産・中国産など)
 金匱会診療所は自由診療でありますので、生薬の購入価格や使用範囲の規制がございません。このため、より品質が良く、安全性が高い日本産の生薬を中心に取り扱っております。
 また、どの様な薬でも取り扱えるように努めております。

 以上、生薬の品質管理と撰品について述べさせていただきました。生薬は食べ物と同じように鮮度・品質・安全性が大切であり、
このため管理と撰品は十分注意して行っていく必要があります。
 また、日本独自の伝統医学である漢方治療を行うにあたって、必要不可欠である生薬は、安全性、品質、国益を考え、出来る限り国産で賄いたいものであります。