〜木瓜(もっか)とは〜

           金匱会診療所薬局長 針ヶ谷哲也


 
カリンと言えばのど飴や薬用酒としてご存じの方も
多いと思われますが、カリンの果実を生薬として使用
する際には木瓜という名前になります。以前は中国の
唐木瓜がカリンの果実で、日本の和木瓜はクサボケの
果実を使用していました。しかし、現在はどちらもカリンの果実を使用しており、正式言いますと木瓜はバラ科(Rosaceae)のカリンChaenomeles sinensis K
OEHN.の偽果を乾燥したものとなります(日本薬局方外生薬規格1989年増補版)。
 カリンは民間療法として咳止めや疲労回復に使われていますが、果実の成分として果糖、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、アミグダリン、タンニンなどが含まれていますので、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸が疲労回復に、アミグダリンが加水分解して生成されるベンズアルデヒドが咳止めに作用していると考えられます。
 漢方療法として使用する場合は、木瓜には筋肉の痙攣(けいれん)を治し、利尿の効果がありますので脚気、浮腫、心不全、リウマチ、むち打ち症、頸部の痛み、頭痛などに応用しています。
 木瓜の含まれる漢方処方には回首散(かいしゅさん)、舒筋立安湯(じょきんりつあんとう)舒筋温胆湯(じょきんうんたんとう)、補肝湯(ほかんとう)、導水茯苓湯(どうすいぶくりょうとう)などがあります。
 木瓜は赤褐色〜黄褐色で香りが強く、酸味が強く収斂性のあるものを良品としています。市場品は日本産(和歌山県)です。

作り方

@煎じ器を使用して木瓜を40分煮出します。


A40分後、熱いうちにザルとクッキングペーパーを
 用いて濾します。


B次に砂糖とクエン酸を入れ、溶かします。
 味見をしてお好みで砂糖とクエン酸の分量を
 調節します。


C消毒したビンに保存します。
 飲むときはお湯割りでどうぞ♪

木瓜で喉を元気に

2011.8.24

木瓜

                               金匱会診療所薬剤部  津田有梨香

 立秋を迎え、暦の上ではもう秋になりましたね。気候が夏から秋に変わるとき、季節の変わり目には体調を崩される方も多いことでしょう。また、現在はクーラーの使用によりちょっと喉が調子悪い・・なんてことはないでしょうか。喉が痛い・咳が出る、そんなときに是非利用して頂きたいのがカリンです。のど飴といえばカリン!というくらいカリンが喉や咳にいいのは有名なことかと思います。ご家庭でカリンといえば、蜂蜜漬け・砂糖漬けや薬用酒にするのが一般的ですね。
 カリンは漢方薬にも配合され、その生薬名を木瓜(もっか)といいます。今回はその木瓜を使用したシロップ作りを紹介します。お湯で割って飲むと効果的です。ソーダや水で割ってジュース感覚で飲むのも美味しいです。


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〈木瓜シロップ及び木瓜に関するお問い合わせは当診療所スタッフまで〉

木瓜シロップの材料

  木瓜  30g (当診療所調剤用 乾燥したもの) 
  水  500mL (ミネラルウォーター又は浄水器を通した水) 
  砂糖  100g  
  クエン酸  10g お好みでどうぞ。酸味が必要なければ入れなくても良いです。