胃腸の病                                          
                              金匱会診療所 藤井美樹


 「命は食にあり」という言葉があります。
私たちの命は食物によって養われています。
 終戦のころにくらべ、今は食物があふれています。
しかし生来、胃腸の弱い人や、生活習慣で胃腸を害し、医療を受けても、なかなか元気になれない人がいます。
漢方では、胃下垂症、胃アトニー症に、六君子湯、茯苓飲、半夏白朮天麻湯、四君子湯、真武湯などをもちいます。
胃潰瘍、十二指腸はストレスに関係があり、再発しやすいものです。
漢方は局所ばかりでなく、中枢神経の働きもよくしてくれるようです。
黄連解毒湯、三黄瀉心湯、人参湯、甘草湯、柴胡桂枝湯などを用います。
 慢性腸炎などの下痢には、生体の機能失調を回復させ、胃腸の働きをよくするようにします。
半夏瀉心湯、甘草瀉心湯、五苓散、桂枝加芍薬大黄湯、真武湯などを用います。
近年、ヘリコバクター・ピロリ菌が胃炎や潰瘍症に関係あることが知られるようになりました。
除菌は大切ですが、からだ全体に力をつける漢方療法も加えたいものです。